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キーストンという馬

2008-08-29のコラム

  • 今回は感動的でもあり、同時に悲しいお話しです。

    生涯成績25戦18勝2着2回。
    私が生まれた年(昭和39年)にデビュー。

    そのデビュー戦を、不良馬場ながらも2着に約10馬身の差をつけ圧勝した昭和40年のダービー馬、キーストンという名馬の存在を偶然ネットで見つけました。

    そのまま惹きこまれるように色んなサイトを探して、キーストンの記事を読み漁りましたが、その内容は私にとって余りにも衝撃的で当分の間涙が止まりませんでした。

    脚部に不安を抱える同馬は、休養と復帰を繰り返しながらも勝ち星を重ね、昭和42年暮れの阪神大賞典を最後に、引退して種牡馬となる事が決まっていました。

    その引退レースで悲劇は起こりました。

    軽快に逃げ、4コーナーを回り直線に向いて残り約300mの地点で突然キーストンはバランスを崩し、その瞬間山本正司騎手は落馬。

    キーストンはその時“左前第一指関節完全脱臼”を発症していたのです。

    その足は“皮一枚”で繋がっている状態。
    どれほどの激痛だったでしょうか。

    キーストンはそれでも残る3本の足で気を失った山本騎手の傍に歩いて行き、鼻面を擦り付けて安否を気遣います。

    かろうじて意識の戻った山本騎手はキーストンの顔を撫で、駆けつけた係員に手綱を渡した後でまた気を失ったそうです。

    競走馬にとって骨折は即、死を意味します。

    山本騎手の意識が再び戻った時には既にキーストンはこの世に別れを告げており、その事実を知った同騎手は泣いたそうです。

    騎手と競走馬の深い絆を感じたエピソードでした。